開発・研究

デジタル資格証明

 現在、学術機関が発行する資格証明は多岐に渡り、技術やガバナンスに関する標準化が課題となる中で、学位・学修歴・学生証などの資格証明のデジタル化が求められています。
 当センターでは、Verifiable Credentials※を活用し資格証明のデジタル化の検討を取り組んできた伊藤忠テクノソリューションズ株式会社と共に、研究開発に取り組んでいます。この開発で当センターでは、従来NIIを中心に進めてきた学認の運用経験を踏まえ、国内外における学位・学修歴・学生証などの資格証明のデジタル化に向けた標準化を検討します。
 国内のみならず国外の学術機関との相互運用を行うための資格証明の仕様検討・実証を進め、民間サービスを含めた利活用も視野に研究を進めていきます。関連するドキュメントは、標準・規格をご覧ください。
※Verifiable Credentialsとは
デジタルアイデンティティに関する属性情報を、第三者によって検証可能なデータ形式とした仕様です。Web技術の標準化団体であるW3Cが勧告した標準規格です。

関連リンク:
ニュースリリース:CTCとNII、学術機関におけるデジタル資格証明の標準化に向けた共同研究を推進 学位・学修歴・学生証のデジタル化に向けたガバナンスと技術標準の策定へ
Verifiable Credentialsを活用した学生向けサービスの実証

デジタル学生証

 大学内/大学外、対面/非対面を問わず、ユーザーが提示したい情報をスマホ上で選択し、安全に提示できるようにします。
 mdoc※を採用したデジタル学生証における国内標準を目指し開発を進めています。当センターでは、学生証のデータ項目について、国内共通プロファイルを検討しています。
※mdocとは
運転免許証をスマートフォンに格納するための技術方式として登場し、ISO/IEC18013-5 として国際的に標準化されています。

関連リンク:
国際標準技術「mdoc」を採用したデジタル学生証における国内標準を目指した技術実証実験

SP組織化

 当センターでは、学認SPコミュニティ拡大のために、活動しています。
 学認を広く活用していただくために、機関が学認に参加する意味を見出せる学認SP(Service Provider)の拡充が必要です。これを達成するため、学認SP 改良・開発・開拓・発掘、学認SPコミュニティの充実がポイントになります。
 SPコミュニティの活動により、機関では、サービスが向上する、新たなサービスが生まれることによって、受験生が増える、優秀な学生が増える、教育の質が向上する、研究が促進される 、同等のコストでより高機能・高性能になるなどのメリットが期待されます。幅広い方々の学認SPコミュニティへの協力をお願いします。具体的な活動は、SP研究会を開催や、カタログサイトを支援しております。
 参加希望の方は、お問い合わせフォームからご連絡ください。

主な活動内容
 学認SP研究会の実施
 大学発SPの普及(学認SPだけでなく)
 学認SPに関する情報発信
 SP のCM サイトの構築

活動状況
 2025年3月19日 学認SP研究会 場所:東京大学  
 2024年12月9日 学認SP研究会 場所:奈良コンベンションセンター 
 

TLSサーバ証明書有効期間の短縮と証明書発行・更新自動化

 TLSサーバ証明書はインターネット通信の安全性とウェブサイトの信頼性を支える重要な要素ですが、その運用に関するポリシーが大きな転換点を迎えています。認証局(CA)とブラウザベンダによる合意により、これまで比較的長期間だった証明書の有効期間が、段階的に短縮されることが決定されました。この変更は、証明書の不正利用を防ぎ、インターネット全体のセキュリティを向上させることを目的としています。
 しかし、証明書の更新頻度が増すことで、ウェブサイト管理者やインフラ担当者にとっては運用面での負担が大きくなり、特に手動で管理している場合には、サービス停止や管理コスト増加のリスクが顕在化します。本稿ではこのポリシー変更の背景やスケジュール、実務への影響を整理するとともに、対応策として注目されるACMEプロトコルを使った証明書管理の自動化について、その利点や導入時の注意点、今後の展望を詳しく解説します。